人形アニメーションに使う人形の頭は、人形のデザインや、目・口のアニメートの仕方によって構造が変わってきますが、ここではプラスチック(レジン)を使ったもので、首の骨組みがワイヤーの場合を紹介します。


作成例

アルミ線を曲げて頭を作る土台を作ります。

今回は原型にスカルピーという樹脂粘土を使いました。オーブンで焼くことで硬化する粘土です。

スカルピーを土台に盛って頭の原型を作ります。形が出来たらオーブンを使って120℃ぐらいの温度で20分ほど焼いて硬化させます。

オーブンで焼いたら冷えるのを待って、アルミ線の土台を切り離します。シリコンの型を取るためにスチレンボードなどを箱組みして、油粘土で半分を埋めます。

シリコンを流し込み、硬化したら箱組みをばらして油粘土を取ります。シリコンの型と原型は外さないようにします。 シリコンの型を再度、箱組みの中に戻します。シリコンに離型剤としてワセリンやメンソレータムなどを塗ります。

シリコンが硬化したら原型を取り出し、カッターで空気の逃げ口とキャストの流し口を開けます。 これで型の完成です。

頭の素材にはプラキャスト(レジン)を使います。A液とB液を混ぜると数分で硬化しプラスチックになります。衝撃にも強く比較的軽いのでよく使います。

型を木の板などで挟んで輪ゴムで止め、プラキャストを流し込みます。

プラキャストが硬化したら型から取って流し口のバリを取り形を整えます。

首に骨組みのワイヤーを差し込む穴を開けます。

穴の周りをモーターツールなどで削って首が入る箇所を作ります。写真ではわかりづらいですが、首と頭の差込口の断面は右の図のようになります。

首を差し込んだところです。首の埋まり具合などを見て調整しましょう。

首は差し込むだけで接着はしません。首の関節の硬さは、頭を指で持って軽く動かせる程度の緩さ。人形を逆さまにしても頭が落ちない程度の硬さを基準にしてください。 硬すぎたら穴を少し広げます。緩すぎたら首のワイヤーに木工用ボンドで紙を巻いて少し太くしましょう。 首の作り方は『手・首の作り方』を参照してください。

首の調節が出来たら着色や植毛などの細かい箇所を作りこんで完成です。
最後に頭が大きい人形の場合ですが、出来るだけ軽く作ることを大事にしましょう。具体的には中空構造にしたり軽い発泡材を芯に使う方法があります。 頭が重い分、首の関節を硬くすればいい。と考える人もいるかもしれませんが、頭が重いと人形の重心が高くなりバランスが悪くなります。少しポーズを変えただけで 倒れてしまうなど、人形を動かすのが大変になるのであまりお勧めできません。基本的には人形アニメの人形は軽いほど動かしやすい。と考えていいと思います。


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