骨組み ワイヤーアーマチュア

針金状のものを使って人形の骨組みを作る方法です。球体関節と違って工作機械なども必要なくペンチがあれば 簡単に作れます。また、動かす個所や方向が自由なので、比較的融通が利く構造でもあります。 何度も使用していると折れるという欠点はありますが、作り方や動かし方を工夫すればかなり折れにくくなります。 長編作品では主役級の出番が多い人形を球体関節にして他のサブキャラはワイヤーアーマチュアにしたり、負担が少ない指先や象の鼻のような自由に曲げたい箇所にだけワイヤーを使う。 という方法もあります。


材料

アルミ線
ホームセンターや100円ショップなどで園芸用としても販売しています。糸ヒューズや鉛線に比べると強度があり折れにくいですが、”もどり”が強いので人によって好き嫌いはあると思います。安価なので何度も作り直しができるのも強みです。初心者にお勧めします。

糸ヒューズ
昔から人形アニメーション用の人形の骨組みとして使われている素材です。太さではなく電気抵抗(アンペア)によって種類がわかれています。しかし、最近では取り扱っているお店が少なくて購入が難しく、代用品として鉛線を使う場合が増えています。

鉛線(なまりせん)
人形の骨組みとしては比較的扱いやすい素材です。アルミ線に比べると折れやすいのが欠点です。

鉛板(なまりいた)
板状の鉛です。足などに使います。厚さもいろいろとあります。

紙テープ
鉛線などの骨組みに巻いて使います。傷がつくのを防ぐ。針金が折れにくくなる。粘土の食い付きが良くなる。巻く厚さによって強度を調節できる。などさまざまな効果があります。

木材
人形のコアに使います。


作成例

人型のシンプルなものを紹介します。コアは胸と腰の2つに分かれていて、骨組みは首、腕、腰、脚につけます。ここでは身長約18cmのものを作っていますが、腰と足は太さ3mmの鉛線を。首と腕は太さ2mmの鉛線。指は5A(アンペア)の糸ヒューズを使っています。

実際に使うよりも少し長めに鉛線を切断します。できるだけ傷をつけないように気をつけます。

鉛線が曲がっていると紙テープにしわが入ってしまうので、2枚の板の間にワイヤーを挟んでコロコロと転がしてまっすぐに伸ばします。

ワイヤーの長さに合わせて紙テープを切ります。本来はらせん状にテープを巻いていきますが、うまくできないときはワイヤーに沿って平行に巻きつけても大丈夫です。

紙テープに水で薄めた木工用ボンドを筆で塗って鉛線に巻きます。しわができないように注意しましょう。紙を巻くことにより、鉛線の折れにくさは格段に上がります。極力、鉛線をそのまま使うのは避けたほうがいいと思います。

木材を切って胸と腰のコアを作ります。角はやすりで削って落として、鉛線をつけるところにはドリルで穴をあけておきます。

部品の配置はこのようになります。手には糸ヒューズをハンダづけしてあります。

鉛線にエポキシ系ボンドをつけてコアに差し込みます。ワイヤーの接続部には強い負荷がかかるので、木工用ではなく、エポキシ系ボンド(A液とB液を混ぜることで硬化するボンド)を使いましょう。

完成したものです。足には厚さ2mmの鉛板をハンダづけしてあります。人形のデザインによってコアの形や手足のバランスは様々なものになります。


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