人形の基本構造

最初に人形アニメーションに使う人形の構造を簡単に紹介したいと思います。人形の構成は下図のようになっていて、骨組み、コア、外形の3つから成ります。

骨組み
鉛線や糸ヒューズなどのワイヤーを使ったものや金属を加工して作る球体関節などがあります。
コア
人形のプロポーションを維持したり、動かす際に持ちやすくするためのものです。木やプラスチックなどで作ります。
外形(ガワ)
人形の外側を形作るもの。スポンジを巻いて服を着せたり、粘土をかぶせたりと、素材はさまざまです。


人形を作るコツ
当たり前の話ですが、人形アニメーションに使う人形は作った後に動かさないといけません。ディスプレイ用の人形と違って実用性が求められるのが難しいところです。ここではコマ撮り用の人形を作るときに注意したほうがいい点をいくつか挙げておきます。

1.丈夫に作る
コマ撮りは何百回と少しずつ人形を動かしながら撮影するので人形をとても酷使します。最初からガタツキがあったり、そっと触らないと壊れてしまうような人形では撮影に耐えられません。しっかりと頑丈に作りましょう。

2.人形は軽く
ただ頑丈に作るだけなら、そんなに難しくはありませんが、頑丈に作りつつも軽くしないといけないのが人形作りの難しいところです。特に頭が重くて重心が高い位置にあるとバランスをとるのが難しく安定しないのでアニメートするときに苦労します。頭が大きなキャラクターは中空にしたりバルサ材などの軽量な素材を使うなどして工夫しましょう。

3.可動範囲を考えながら作る
せっかく人形が完成しても、いざ動かそうとしたら、肩が上がらない。とか、首が傾かない。腰が曲がらない。など、思ったよりも可動範囲が小さくなってしまった。ということも初心者にはありがちです。せっかく人形が出来ても動かせないのでは意味がありません。あまり動かしすぎると壊れそうで怖い気持ちもあると思いますが、可動範囲を確認しながら人形を作っていくと、後で後悔することもないと思います。

4.固定方法は最初に考えておく
撮影のときに「どうやって立たせるか」「どうやって空中に固定するか」を考えず、無計画に人形を作ってしまうと、撮影の時にとても苦労します。最悪、人形を分解して手直しが必要になるかもしれません。人形のどこに、どうやって固定するのか。をきちんと考えて、人形を作る際に仕掛けを組み込みながら作りましょう。


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