| 2007年10月18日 第四十三回 紙くずアニメ |
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今年は紙を使ったアニメに御縁がありまして。 今月頭に紙を使ったアニメのCMを撮影してきました。紙といっても折り紙やダンボールなどではなく、細かく切り刻んだ紙を使ったアニメです。 CMはすでに放映が始まっています。明光商会のMSシュレッダーという製品のCMです。CMはテレビ朝日系列で放送されている『ビートたけしのTVタックル』 という番組の枠内で放映されていますが、こちらのメーカーサイト からもCM動画を見ることが出来ます。『いろんなひみつ編』と『シュレッダーアート編』がありますが自分が担当したのは『いろんなひみつ編』です。 メイキングも紹介されていますが、これは『シュレッダーアート編』の撮影現場の様子です。こちらは複雑なカメラ移動があるのでモーションコントロールカメラ を使って撮影していました。 |
『いろんなひみつ編』は半立体で撮影していて、ここでも何度か紹介している左図の線画台を使いました。ガラス板の上に紙くずを置いて動かしながら撮影するという方法です。CMは見てもらえればわかると思いますが、シュレッダーをかけた紙くずが機械の中から出てきて生き物のように動き、国会議事堂、パソコン、ゴミとゴミバケツ、 人間へと形を変えていきながら、世の中のいろんな秘密をシュレッダーは守っていますよ。ということを紹介する内容になっています。 一番最初のシュレッダーが開いて中から紙くずが出てくるカットはシュレッダーのみを事前に別のアニメーターの方が撮影して、それに合わせて自分が紙くずのアニメを撮りました。 コマ撮りソフトSTOPMOTION-PROを使ってシュレッダーの映像に位置合わせしながら紙くずをガラス板の上で動かします。アップのカットも同様に撮影します。 |
今回のCMでは造型の方にいろいろと準備してもらったので、自分はアニメのみ担当しました。右図のような色別の紙くずとか、後に書きますが、モデルも作って
もらいました。コマ撮り用の造型は特殊なので初めての方だと難しいところもあるのですが、今回はコマ撮り経験豊富な方だったので、現場でもスムーズに進める
ことが出来ました。
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さて、今回の撮影で一番の目玉が紙くずが次々と形を変えていく18秒のカットです。撮影のほとんどは本物の紙くずを置いて撮りますが、さすがに国会議事堂や
パソコンなどディテールが細かいものは撮影しながら形作っていくのは難しいので、今回は完成形を事前に用意してもらい、撮影の途中で置き換えるようにしました。
写真の隣にある黒い枠は、型の中に紙くずを置いて型をゆっくり外すと完成形に近いものが出来る。という『クッキーの型』のような仕掛けです。このようなものを使って撮影するわけですが、『形が出来上がっていくところをよく見せて、形が崩れるところは一気に』という演出の方向に合わせるために『逆撮』という 方法をとりました。つまり出来上がったものを少しずつ崩していきながら撮影したものを逆に再生すると、少しずつ形が出来上がるように見える。ということです。 どうして逆撮かというと、動かすのは紙くずなので緻密に形を作っていくには無理がある。でも逆に、形が出来上がった状態から崩していくなら少しずつ動かすことは可能。 ということです。 始めに、紙くずの塊があり、それを動かしながら撮影を進めていき、大体、形が出来たら完成形のモデルに置き換える。そこで簡単なアクションをしたら、完成形のモデルを 『クッキーの型』で作ったものに置き換えて、今度は少しずつ壊しながら撮影して次の形にもっていく。という感じです。このカットで丸2日かかりました。 |
紙くずを動かすのに使った道具は、ピンセット、フォーク、ナイフ、あと写真にある自作の小さなトンボです。紙くずを動かすのは初めてだったので、
事前に自宅でテスト撮影を何度か繰り返してから本番に挑みました。その際にいろいろと道具を使ってみて一番効率がいいものを見つけていくわけです。どんな撮影でも必ずテスト撮影をするわけではありません。打ち合わせでどんなアニメにするのかをスタッフと決めた後は、自分判断です。 事前に何を行って何を用意すれば現場がスムーズに進むのか?指示してくれる人はいないわけですから自分で考えないといけません。 自分の場合は短い間でしたが先輩アニメーターのアシスタントをしていたときに、その様子を知ることが出来たので、今、とても役に立っています。 コマ撮りを仕事にしようとしたら、単にコマ撮りの技術だけではなく、それ以外の仕事の進め方も大事だと思います。 ・・・と、話はずれましたが、大体こんな感じで今回の撮影は無事に終了しました。 |
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