人形アニメーションでは、人形を動かすときにアニメーターが人形の胸や腰などを片手でしっかりと保持して動かしますが、その際に人形の形が崩れないようにプロポーションを保持する役目をするのがコアです。コアが小さすぎたり形が悪いと、人形を持ったときに人形の形が崩れてしまったり、きちんと保持できなくて他の動かしたくない関節が動いてしまい、アニメートが大変になります。
反対にコアが大きすぎると関節の可動範囲が小さくなり、人形が自由に動けなくなってしまうので、最適な形を考えないといけません。
このように、コアの出来はアニメートに大きく影響するので、骨組みと同じぐらい重要な要素になります。コアの形状は人形のデザインを見ながら立体的に考えていきます。骨組みとコアを仮組みして可動範囲の様子を見ながら形を調整していきましょう。また、コア自体の強度も大事ですが、骨組みとコアがしっかり固定されていないとガタつきの原因になります。頑丈に組み立てましょう。
作成例
材料としては木やパテなどのプラスチックを使うことが多く、コアが大きくなる場合は軽量化のため中空にする場合もあります。 また、突き出しで人形を外から固定する場合は、コアに突き出しの棒を固定する仕掛けを組み込むことも多いです。
木材で作ったコアです。
バルサで作ったコアです。ダンスをする人形なので腕が自由に動くようにコアの腕周りを削り込んでいます。
バルサとMDF・コルクで作ったコアです。頭が大きい人形なので首の骨を刺す部分だけ硬いMDFで作り、後頭部は軽量化のためバルサでできています。目と口をピンで刺して固定するため、頭の前面はピンを刺しやすいようにコルクで出来ています。
プラスチック(レジン)で作ったコアです。腕と脚にもエポキシパテを盛って肘や膝の関節以外は曲がらないようにしています。
背中には突き出しの棒を固定するためのパートが接着されています。直径5mmの真鍮棒を差して、上からイモネジで締めて固定します。
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